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「人文・社会系分科会」参加報告「初年次教育におけるアカデミック・リテラシー教育から図書館利用教育へ」から

「大学の図書館」28(12)(2009/12)掲載

[大学図書館問題研究会 第40回全国大会(2009年) 主題別第1分科会(人文・社会系)]

 「初年次教育におけるアカデミック・リテラシー教育から図書館利用教育へ」と題したご講演を、高崎経済大学の高松正毅先生よりいただいた。一般に「初年次教育」は、生活面のスキルや講義の受け方に始まり、リサーチ・スキルから発信スキルに至る多様な内容で構成されているという。
 こうした初年次教育が必要とされるようになった背景について、学力低下問題に止まることなく、社会構造や社会風潮、さらにはコミュニケーションの有り様の変化など、多面的な切り口から論じられた。ついで、自ら考え表現する能力を大学生に必須とし、論文を書くことで身につけさせる高崎経済大学経済学部の科目「論文の読み方・書き方」の例を紹介された。

 続いて、参加者による各図書館の取り組みの紹介と意見交換が行われた。講演でも『図書館利用教育ガイドライン』が例示されたが、初年次教育のひとつであるリサーチ・スキル、つまり、図書館および各種ツール等の利用法は、従来、図書館で利用者教育として取り組まれてきている。そして、発信スキルを取り上げる例も現れてきている。しかしながら、高松先生が今後の課題として、カリキュラム等と連動した図書館利用教育との連携を挙げられたように、初年次教育と図書館の有機的な連携例は少ないようだ。
 そこで、会場の現職教員からの「教員は研究中心になりがちであり教えるプロではない。図書館員は教育にも積極的に関わるべき」とのコメントには、意を強くした。また、教員との連携の前提として、高松先生は、まず「教員に対する図書館利用教育」が求められることやパスファインダー等の整備の必要性を指摘された。

 今回の分科会は、大学の教育における図書館の積極的な取り組みの必要性とともに、そこでは、大学教育のあり方に自覚的な教員との協働が大きな力になることを感じた。

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