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OCLCが提供する大学図書館向けの新サービス

「第39回全国大会(2008年) 企業セミナー1“OCLC が提供する大学図書館向けの新サービス”」 参加報告
「大学の図書館」27(12)(2008/12)掲載

 紀伊國屋書店により、OCLCが提供する電子ブックサービス”NetLibrary”およびリンクリゾルバ”WorldCat Link Manager”の紹介とデモが行われた。
 NetLibraryは、欧米出版社のコンテンツを中心に17 万タイトル以上が搭載されているアグリゲータ系電子ブックサービスの老舗であり、海外では多くの図書館で導入例がある。昨年より提供が開始された国内出版社のコンテンツは、既に500 余タイトルが搭載されており、2009 年度には5000タイトルの提供が予定されている。和書の搭載には、紀伊國屋書店が出版社とNetLibraryの間に立っており、対象は文理を問わず大学図書館で利用される「基本図書」を対象とするとのことであった。
 ”WorldCat Link Manager”は、webサービス上で利用者を電子ジャーナルやOPACなど的確な情報資源へナビゲートするリンクリゾルバといわれるシステムであり、他の海外ベンダー製品は国内でも導入例が増えつつある。”WorldCat Link Manager”は、カスタマイズや日本語コンテンツへの対応、日本向けサポート体制が充実していることを特徴として強調されていた。
 さて、電子ブックの導入が国内大学図書館で拡大しない理由のひとつとして、和書コンテンツの不足が指摘される中にあって、NetLibraryの動向は注目されるところである。しかしながら、NetLibraryは「出版社および著作者の権利を尊重するという考えをもとに設計」されているため、「複本」を購入しない限り、複数同時アクセスはできなくなっていることや表示と印刷は1 ページずつしかできないことなど、web上のコンテンツの利点を損なっているところがある。これは、電子ブックの導入と活用において、図書館や利用者にとっての障壁となりかねない点として、今後の改善が望まれる。一方、図書館には、リンクリゾルバといった新たなツールの導入や伝統的なツールであるOPACで電子ブックを検索できるようにすること (OCLCはMARCを提供している)などによる視認性のアップ、さらには授業における使用など教育と連携した利活用を図るといった方策が求められてくるだろう。

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